研究に関する座談会

今日は、今から大学を受験する高校生のために、色々教えて下さい。まず、研究の面白さってどんなところだと感じてますか?

かっこいい。いつか、ドラえもんとのび太のような感じになるのかなー。

センサを使えば、見えなかったものが見えるようになってくるのは面白さの1つですね。研究室では、新しいセンサはどんどん取り入れようと思ってます。

 

なるほどね。『筋肉は裏切らない』的な感じで、プログラミングは裏切らない!では、研究の難しさは?

 

 

データ集め、そして、前処理(おかしなデータを取り除いたり、形式を揃えたりする作業)は、凄い人工知能を作るには避けては通れない作業ですが、やっぱり大変ですよね。そこを人工知能がやってくれれば良いけど、それをやれる人工知能を作るためには、まず人間がやらないといけないというジレンマ。頑張りましょう。

 

内面的な状態は、本人でも正解がわからなかったりしますから、難しいですよね。絶対的な指標(体温37度で熱というような)ではなく、本人にとっての相対的な状態(普段より疲れている等)だけでもわかるようにしていきたいですね!

 

3年生までに学んだことも重要なことですが、研究となると一気にさまざまな知識を要求されますもんね。でも、私を含め、みな同じところからスタートしてます。研究を頑張れば、3年後、修士を卒業する頃には、必ず成長してますので安心して、今、眼の前にある課題に取り組んでください。

みなさんの研究が完成するとどんな未来になりそうですか?

人間の言葉のような複雑なものを機械に理解させるという難題に立ち向かうことが面白さです。いわばロマンです。(修士2年、K)

睡眠や運動データを扱うので、普段意識していない自分の体のことが分かるのが面白いです。また、自分から使おうと思っていなかたスマートウォッチを実際に使ってみて、とても便利だという発見があり、新しい世界が広がる感じがとても楽しいです。(研究生、M)

実験をするためのプログラムを書いているときが楽しいです。自分がやりたい実験を考えて、プログラムを書いて、しっかりと動いているのを確認したときの「今日も頑張った」感が好きです。基本的にはプログラミングは楽しいのですが、たまに辛い時もあります。(修士2年、S)

データを扱うということが難しいです。僕が今使っているデータは、現実世界でドライブレコーダーから集められたデータです。こういったデータには、機械の不具合や、取り付けミスが原因となるノイズデータがたくさんあります。ノイズデータを実験に使ってしまうと、きちんとした結果が得られないので、取り除く必要があります。しかし、どこにどういったノイズがあるのかを調べるのは難しいので、苦戦しています。(修士2年、S)

研究対象が試験というデリケートな物なので、サンプルとして使えるデータがなかなか集まらないことが難点です。模試などの際にデータの提供を求められたら、ぜひご協力をお願いします。(修士2年、K)

 

ストレスというのは数値で表せられる客観的なものだけでなく、数値に表すのが難しい感情や気分などの本人の主観的なものも要因となるので、この2つをどのように組み合わせて推定をしていくことが難しいと感じています。(研究生、M)

 

勉強すればするほど自分の知識不足を実感して悲しくなることです。(4年生、J)

私は、ニューラルネットワーク(人工知能)を用いた記述式試験の採点、という研究に取り組んでいますが、この研究が完成したら、試験を受けたときに、結果が早く返ってきたり、個人の間違え方にピッタリ合わせた解説がもらえたりするかもしれません。

私は、スマートウォッチを活用したストレス推定、という研究に取り組んでますが、誰もがスマートウォッチをつけていて、睡眠、運動、食事などを適度に管理してくれるノンストレスで健康的な社会生活を送ることができる未来が来てくれると嬉しいと思っています。

僕は、自動車の走行履歴データを利用した急ブレーキの発生状況の分析、という研究に取り組んでいます。この研究が完成したら、進化したカーナビを作ることができるようになります。天気、時間帯や場所の情報を考慮して、急ブレーキや事故が起こりやすい状況になった場合は、運転手にそのことを知らせることができるようになります。これによって、交通事故を減らすことができるようになると思います。

5年後、10年後には本当にそんな世界を実現したいですね!ぜひ、博士課程へ!違うか(笑)他、今から大学を目指す高校生たちへ一言ずつお願いします。

受験勉強は将来の自信に繋がると思います。イレギュラーな年でしたがベストを尽くして実力を出し切ってください!

九大の理系区画は箱物チックですが、中にいる人は個性にあふれて国際色も豊かです。九大に来たら刺激のある研究生活を送れますよ!

僕は高専から大学院に編入してきたのですが、研究室の人や授業で一緒になった人はすごい人が多く、驚かされています。峯研では、あんまり急かされることなく、自分のぺースで研究ができるので、毎日のんびりと研究しています。峯研を選んでよかったです!

研究室に所属するようになると、今までとは一味違う世界に入ることができます。もちろん、勉強だけでなく、サークル活動や友達との交流も十分に楽しめる環境があるので、是非九大で楽しい学生生活を送りましょう!

研究室メンバーの皆様、ありがとうございました。受験生の皆様、今年はコロナで大変だと思いますが、九州大学・工学部を目指して頑張ってください。私の生まれ故郷・糸島にある伊都キャンパスは、日本最大の面積を誇り、研究設備や実験環境も充実しています。そして、全国から優秀な学生たちが集まっています。トップレベルの先生のもとで、ライバルたちと切磋琢磨して、世界を変える技術を生み出していきましょう!入学、心よりお待ちしております。